北急8005f、その30年を振り返る

いよいよ引退が噂される北大阪急行8005f。この編成の過去数年の動向を振り返ります。

平成元年（1989年）に登場

8005fは、8000形「ポールスター」の5番目の編成として平成元年（1989年）に導入されました。これ以前の編成にはなかった特徴として行先表示幕にローマ字が入っていること（後に全編成に普及）（Wikipediaより）や、窓がスモークガラスになっていることが挙げられます。当時の御堂筋線の量数である9両編成で登場した8005fは、のちに10両編成化され、御堂筋線・北大阪急行南北線を走ることになります。

残った「原型車」

2013年、8000形第3編成・8003fを皮切りに8000形への車両設備更新工事が始まりました。更新工事の内容は前面灯（ヘッドライト）の白色化、運転台の更新、制御機器のIGBTへの変更などで、2015年までに8003f、8006f、8007fが工事を受けました。一方、8001f、8002f、8004f、8005fに対しては更新工事は実施されず、8004fがヘッドライトの白色化改造を受けると、それ以外の編成は登場時に近い姿である「原型車」として残ることになりました。

しかし、2013年に新型車両9000形「ポールスターII」が登場すると未更新車は新型車両に置き換えられていきました。まず2013年7月に8002fが、2014年2月に8004fがそれぞれ新型車両の導入により営業運転から引退、廃車になります。2016年3月に8000形トップナンバーの8001fが引退すると、8005fは8000形の中で唯一の原型車となりました。

↑新型車両9002f（写真左）の登場により引退し、解体工場への陸送を待つ8004f（写真右）

廃車も噂された全般検査へ

話は前後して2015年、8005fは全般検査のため運用を離脱します。この頃から廃車がささやかれるようになりました。北大阪急行では検査の期限が近い編成から廃車を進めており、当時2編成ある未更新車のうちの一編成であった8005fもこの検査を受けずにそのまま引退してしまうのではないかという予想がファンの間で流れました。姿を現さなくなり数ヶ月が経った2016年2月のある日、車庫の外に「大型車両通行のお知らせ」が貼り出されると、ファンの間で大きな衝撃が走りました。

しかしながらこの期間には何の搬入・搬出も見られませんでした。翌月、8001fが多くの職員やファンに惜しまれながら引退すると、新たに搬入されていた9003fの置き換え対象が8001fとなり、8005fは廃車を真逃れました。

その後、車庫内で検査を受けているところが目撃され、2016年7月、8005fは無事運用に復帰しました。

過剰編成の発生

2017年4月、新型車両4編成目に当たる9004fが導入されました。これにより9004fが置き換えるのは8005fということが決まり、8005fの引退は秒読み・・・であるかに思われましたが、検査を終えてからわずか半年であったこともあってか、直ちに運用から退くことはありませんでした。これにより北大阪急行はこれまでの7編成から、8編成を保有するようになり、「2020年の箕面延伸までは生き残れるのではないか？」という予測もなされました。

迎えた北大阪急行創立50周年

2017年12月11日の北大阪急行創立50周年に先立ち、10月1日に記念ヘッドマークが取り付けられました。お披露目に開かれた撮影会では、8005fは撮影用の編成に選ばれ、多くの人のカメラに収められました。撮影会の前に、一番最初にヘッドマークを貼り付けられたのも、この編成でした。

そして休車へ

ツイート：Midosuji-line様

クリスマスイブの12月24日、北急8005fは休車札が掛けられているのが目撃されました。再びファンの間に衝撃が走る中、翌年1月4日には連結器カバーが外されているのが確認されました。そして12日、陸送実施のお知らせが・・・なお、Wikipediaには「12月30日で廃車」とあります。

30年にわたり走り続けてきた8005f、そろそろ引退の時期だったのでしょうか・・・

参考文献：

Wikipedia 「北大阪急行電鉄8000形電車」https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E5%A4%A7%E9%98%AA%E6%80%A5%E8%A1%8C%E9%9B%BB%E9%89%848000%E5%BD%A2%E9%9B%BB%E8%BB%8A

なにわの地下鉄「なにわの地下鉄｜車両｜北急8000形」http://naniwa-subway.net/car/8000/series8000.html